カフェとライター





「大丈夫」


「じゃあ、、」

ホテルの貸切のフロア。

一旦自分の部屋へ戻り、

連絡が来たので戒李くんの部屋へ向かうと、もうルームサービスを頼んでくれていた。


「…ごめんなさい」



目の前の、ご飯を食べている戒李くんに謝る。

「忙しい中せっかく観光誘ってくださったのに、」


「別に。人に見られたくないなら仕方ないでしょ」

「……、」




せっかく、一緒にご飯を食べられている貴重な機会なのに。

心のどこかで、

今一緒にいることが誰かからのリークで漏れていたらどうしよう、

そんな不安が少なからずあって。



小心者だ。




「ここは大丈夫だから」

水を呑みながら、

戒李くんが私を見据える。

「いっつも周りの目を気にしてくれてるけど。ここは、今だけは本当に2人きりだから大丈夫」

そう言われて、笑顔を作って頷く。


「ありがとうございます」

「ん。食べな」



頷いて、パスタを口に運ぶ。




「……現場、息苦しくない?きついでしょ、体」
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