カフェとライター
京都に来てから、地方に来ているからか
マネージャーさんがいないことが多いからか戒李くんは私のことを気にかけてくれることが増えた。
本当なら自分のことに集中できるはずなのに申し訳ない。ただ見ているだけの私なんかがきついなんぞ言えるはずがない。
見下ろされる視線に戒李くんを見ながら首を振る。
「全然大丈夫です。京都の街並みも、実際の建物の撮影も新鮮で、貴重な体験ができて息苦しいなんて、」
むしろ、楽しませてもらっている。
「身体しんどいと思ったらホテルで休んでてもいいから。そろそろ疲れ出る頃と思うし」
「ありがとうございます。今のところは、まだ、大丈夫です」
笑顔でそういうと、なぜか戒李くんは少し不満そうな顔をする。
戒李くんには、私が無理しているように見えるのだろうか。