カフェとライター
私が、そうしたのだ。
傷は浅いうちに。
これ以上深入りして、立ち直れなくなってしまうのが怖かったのだ。
他の子なら喜んで幸せの絶頂だったのかもしれない。
だけど私は、そうは思えなくて。これ以上は、よくない、と。自己防衛するために、避けるようになってしまった。
行かなくなった図書室。
その後、彼が学校へ登校した際の目撃情報は嫌でも耳に入ってきていたけれど。
次に私がしっかりと彼を見ることができたのは、卒業式の時。
遠目で見た彼と目が合ったような気がしたけれど。私の自惚れや、気のせいかもしれないけれど。
遠くから見た彼は、悲しい顔をしていた気がする。