カフェとライター
「やっぱり、意外と大人しそうな子ほどそういうことするよね〜」
「え、」
「何か弱みでも握ったの?」
「いえ、わたしはただ、依頼されて連載を、」
「それを口実に近づいたんでしょ?」
完全に、敵対されている。冷たく、なぜか私が怒られてる?ような言葉。
なぜ、わたしが。
〝ういちゃん気をつけなよ〟
来くんの忠告が頭によぎった。もう遅いのだけれど。もっと真剣に、警戒して気をつけておくべきだったのかもしれない。
「……わたしとのシーンの時は、私の視界に入らないでね。目障り」
顔を見たまま、黙りこみ、何も発せられない私にガンを飛ばしながら、捨て台詞を吐かれ。
くるっと立ち去られる。
撮影現場ではニコニコほんわかな雰囲気な分、今私に向けられた視線、言葉のギャップに自分の心がついていかない。