カフェとライター




戒李くんは動こうとせず。


…??


ん?と戒李くんを見ると。



「なんかあった?」



「え?」

真顔で、正面から射抜かれる。


内心、ドキっ、とするが、表情には出さないように努めて。

「なにか、とは?」



聞き返せば、

視線を逸らされ、いや、とこぼされた。そのまま歩き出す戒李くんの後ろをゆっくりとついて行く。

…富田さんに軽く絞められた、なんて言えないもんなぁ。


社会人になって、まさか自分があんな体験するとは思わなかった。



絞められた、と伝えたら

戒李くんはどうするのだろうか。

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