カフェとライター



「大丈夫です」

やっと終わったと言うのに、スケジュール上そのまま夜の最終の新幹線でバタバタ帰ることになった。


「仕事。していいよ」



動き出した新幹線。グリーン車は疎で。

最終なこともあり

スーツを着たサラリーマンが疲れ切って座っていたり、

イヤホンしてカタカタパソコンを打って仕事をしている人もいる。

移動中くらいは。

ゆっくり休んで欲しいと言う気持ちはあるのだけれど。

計算する限り、この時間に連載のインタビューを受けてもらうのがこの先わざわざ時間を取らなくて済むのだ。


朝それを伝えて快諾されてはいたのだけれど、今日1日の仕事を見た後に、今からはい、答えてください。とは言いづらく。


どうしようかと思っていれば、

席に落ち着いた戒李くんから声をかけてくれた。



「すみません、」


「ん」

バックからパソコンを取り出して、あらかじめまとめておいた質問リストのファイルを開く。

SNSで実際にファンの方から募った質問達だ。


「できるだけ、聞かれたことがないものにしたかったのですが、たぶん何回も聞かれた質問もあるかも、です」

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