カフェとライター
ぽんぽんと間を開けず返ってくる返答を打ち込みながら、リズムよく進めていたのに。
急に返ってこなくなった間。
画面から、横の戒李くんに視線を移すと。
少し考えていて。
「……諦めが悪いところ」
ハーフジップの襟元を上までしっかり閉めて、そこに口元を隠したまま。
ぼそっと出てきた言葉を、
特に気にせずそのまま聞いたまま打ち込む。
「好きな季節は?」
「春か秋」
「使ってる香水」
「持ってない。現場で用意されたやつつけてる」
「…ほんと?」
「何が」
だって、いつも…
「工藤さん、いい匂いするから、てっきりいつもつけてるかと…」
ふわっと香るあの匂いは、たまたまつけてる香水?