カフェとライター
それにしてもいつも同じ匂い…
鼻から上だけ覗かせている目がパチっと固まり瞬きされて。
変なことを言ってしまった、と焦る。匂い嗅いでるみたいで気持ち悪いか…!
つい、自分の言ってしまった言葉に焦る私に、
「それはどーも」
珍しく演技をしている時のように。わざとらしくニコッと笑われて。
顔が熱くなるのを感じながら、気を取り直す。
…やりずらい。
「やってみたい役」
「悪役とか殺人鬼」
「タイムマシーンに乗って行くなら過去?未来?」
「過去」
えーっと…、、
そこまで打ち込み、スクロールした手が止まる。
「どうした?」
テンポよく進んでいた応答が止まり、横から不思議そうな声がして。
すぐになんでもない、と首を振る。
「恋愛系の質問も多くて…。やっぱりファンの方が1番気になるところではあるんですけど。答えられそうになかったら、答えなくても大丈夫なんで」
「ん」
「初恋は」
「覚えてない」
「ファーストキスは」