カフェとライター
「覚えてない」
無言で戒李くんの顔を見れば
「…いちお、アイドルなんで」
「あぁ、」
そっか。馬鹿正直に答えるわけないか。それを聞いて、その後の初カノ、初デートもまともな返答が返ってこないだろうとスキップする。
「あ、諦めた」
その様子を見落とさなかった戒李くん。
「…覚えてない、以外の答え?」
「いや。正しい選択」
「どーも…」
「好きなタイプは」
「……図書室で勉強してそうな子」
ドキッ、としてしまうのがバレないように。反応せず答えを打ち込む。
自分のことを言われたわけじゃない。
ただ、好きなタイプを言っただけだ。