カフェとライター

元々、どんどん新しいことがしたかったのと、


割りのいいバイトがしたい気持ちからこの仕事を始めた。


モデルの仕事は今の演技に比べれば、そんなに複雑な心情の表情管理を求められないから。




服を魅せるということだけ気をつけてできていた。

ありがたいことに、地味に人気が伸び初めて、仕事で学校を休むことが増えてきた頃。



水野憂を見つけた。

2年の冬だったっけ。正月明けで正月も仕事だったから休みっていう休みもなかったしだるいなーと思ってた3学期の始業式。




寒いなーと思いながらだらだら進んでいく式を眺めてたら、壇上で表彰されてた。優秀生徒だって。



またあの2人だね、安定安定


そんな声が横の列からしてきた。

優秀生徒が表彰されて、毎年学期ごとに名前が張り出されるのも知ってて、名前は知ってたんだけど。



初めて姿を見た。壇上の光に照らされて少し茶色にもみえる黒髪。



ゆるく2つに耳の下で結ばれた

胸くらいの髪。こんな子だったんだ。




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