カフェとライター

最後に見た、あの姿よりも明るく、短くなった髪。

白のカッターに、黒のズボン。

茶色いエプロン。


制服しか見てなかったから、新鮮に見える。数年ぶりなのに、一目見てすぐに水野憂だと分かった。若い女性2人組に接客してる姿は、笑顔だった。

ここで働いてるんだ。顔を合わせたいはずなのに、いざ会えるとなるとなんか気がひけて。




その日はそのまま帰った。

数日おいて、次は午後から仕事の日の午前中に行ってみた。

まだ会う勇気はなくて。

でもどんなところで働いてるのか知りたくて。




自分きもいな…と思いながら。


しばらく店の外で憂がいないことを確認してから入った。今日は休みのようだ。


「いらっしゃいませー!カウンターでもよろしいですか?」




「はい、」


カランカランと、ドアについてた鐘を合図にカウンターの中にいた女性と目が合い、にっこり笑いながら話しかけられる。






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