カフェとライター

「そのポエムがきっかけで、出版社にスカウトされたんですよ。こないだは大女優さんのインタビュー記事も任されていて」



憂の活躍が嬉しいのだろうか。次から次に情報が出てくる。



「女優?」

「松村淳子って知ってます?今木曜日の10時からやってる刑事ドラマの女性刑事役で出てる人」




松村淳子…もちろんこの世界にいれば知ってる。知らなくても知ってるか。

仕事で言えば、前に共演したことある。


忘れてなければ向こうにも認知されてるはずだけど。と思いながらはぁ…と返事をすれば、お待たせしました、と頼んだコーヒーが出てきた。

そのまま、ゴソゴソとあ、この人この人と近くにあった雑誌を横に広げられる。すぐに開けるようにクリップで止められてるそれを閉じないように片手で抑えつつ見れば。




書いてある水野憂の名前。




「素敵な文を書くので、よかったらゆっくり見て行ってくださいね」

ごゆっくりどうぞーとそう言って離れて言った。

自分の記事もそうだけど、人のインタビュー記事なんてそうそう見ることないんだけど。


読み終わって雑誌名を見れば。…そういや密着したいって言ってた雑誌だと気づいた。




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