カフェとライター
さすが高校時代文系トップ。
文才がある。図書委員で培ったものなのかもだけど。
俺がいつも受けているインタビュー記事のありきたりな王道な質問ではなく、内面重視な質問が多いなと思った。
ファンが欲しいような質問じゃなく、もっと深いところ。上っ面じゃなく意識を持ってやっていることとか。
そういうところを掘って、聞いて、しっかり書いてる。
きっと、この雑誌を読んだ人でしっかりと確認した人はほとんどいないだろう。
さらっと見て目にも止まらない。
たった3文字。その名前を何度も読んだ。
「ーーー松村さん、」
「あら!工藤くんじゃない!お疲れ様ー撮影??」
「はい。隣で撮ってるって聞いたんで」
水野憂にもう一度近付けるならなんだってやってやる。その気持ちだった。
「こないだのインタビュー記事読みましたよ。すんごい特集されてましたね」
言えば、目力の鋭い目が三日月型へ変わる。
「読んでくれたの?あれ、かなり周りから好評で」
「芝居についてかなり語ってましたもんね、俺も勉強になりました」
「そうでしょ??あんまり受けはよくないかな、ほとんどカットされるかなーなんて思ったんだけど、しっかりまとめてくれてて」
「ライターの子、工藤くんと同じくらいじゃないかな?その子がもうすっごくよかったの」