カフェとライター


「ーー事務所に来てくれ」

京都から帰って、数日。


比較的早めに終わった撮影日に、きてた呼び出し。

まぁなんで呼ばれたか分かってるんだけど。初めてだから意外と早いもんなんだなって思った。

もっと一ヶ月後とかかと思ってた。



「撮られた」

一言。部屋に入るなり言われて。

「…別によくない?」


「戒李」

一宮さんも険しい顔になってる。その姿を見て他のスタッフはどうしたらいいのかと思っているのだろう。


気まずそうな顔をしてて。


ピリつく空気。こうなることは分かってた。後悔なんてしてない。






「張られてるってわかってて俺がしたの。撮られるのわかっててやったんだよ」



「なんで、」


「むかついたから」

前々からずっと張られてるのは知っていた。だから、やったんだ。向こうが撮りやすいだろう角度で。


綺麗にバッチリ撮れるように。





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