カフェとライター



「それで戒李はこの不機嫌?」

「別に不機嫌じゃない」




「まぁ、自分が我慢できなくて早めたんだからねー」

呆れた顔で見てくる新。密着が終わったことに不機嫌になってると思ってんのか。

違う、そうじゃなくて。



「なんで俺よりも情報知ってんの」

「一宮さんに聞いた」

「…そ」




俺はわかってるだろうけどこれ以上大きくなる前に強制終了としか言われてなくて。



撮れ高充分とか、今度挨拶にくるとか。

そんなの聞いてない。


スタジオでのライブのリハ。



次々と出勤してきたかと思えば、俺を目に入れた瞬間にチラ、と横を見て憂がいないことに気づいて真っ先に聞いてくる。


始まる前も、休憩中も話題は憂のことで。




「…戒李」

休憩に入り、立ち位置の進行表を床に座って見返していれば。

声をかけられ、見上げる。



水を飲んだ来がふと、

「大丈夫かな?憂ちゃん、」

「…なにが」




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