be your star.
プロローグ
飲みかけのペットボトルの水があと一センチ程残っている。
ソファーから見えた景色はいつもと然程変わらず、散らばったルーズリーフの位置も変わらない。
起きたのは携帯のバイブ音だった。
知ってる。昨夜から鳴りっぱなしであることも、出ない限り鳴り続けることも。
ふと、聴き慣れない音楽に視線を動かす。
タブレットからさして興味もない動画が流れ続けており、その中に広告が挟まっていた。
地方のホテルの広告。
終わると元の動画に戻る。
起き上がり、動画を止めた。
ホテルの名前を検索する。
同じ広告が出てきて、何度か再生した。
< 1 / 113 >