be your star.

冷蔵庫のらっきょうを思い出す。
スーパーにあったものを一通り買い占めたらしい。

「別れの挨拶じゃん」

赤信号で止まり、ツバキさんがこちらを見るのが分かった。

私はそちらを見ることが出来ず、買ってもらったスカートから見える自分の足を見ていた。

「あーあ、送るの嫌になっちゃったなー」
「じゃあここで降ろしてもらえると」
「このまま拐って行こうか」

パッと隣を見れば、ツバキさんは前を向いていた。青信号で、発車する。

「ツバキさんは、ずるい」

窓の方に寄りかかり、ビルの隙間を見つける。

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