be your star.
取ってつけたような理由に呆れる。
「ヤマダさんは理由がないと、遊んじゃいけないの?」
変なところで真面目だ。
真面目というか、雁字搦めというか。
「……まあやらないといけないこと、放ってきてるから」
「あ、やっぱり仕事さぼってるんですね」
「まあそりゃね。ベースも置いてきたし」
ふわふわとした返答に、ヤマダさんが動き出す。
「迷子なんだよ、どっちも」
ゆっくりと横に歩いていくカニには目もくれず、展示室を出ていく。
――ピンポンパンポーン。迷子のお知らせです。
その放送音に二人して足を止め、思わず顔を見合わせて笑った。