be your star.

心を見透かされて、なんだか気まずい。

「バレーは今もやってんの?」
「え?」

急にバレーの話題を振られて顔を見る。ヤマダさんはアイドルが表紙を飾る雑誌を一冊手に取っていた。好みの子でもいるのだろうか。

「高校バレー部だったんでしょ」
「あー、三年の時に肘を怪我して」

ぱっと腕が離された。静かに雑誌も戻される。

「右?」
「はい、」
「ごめん」
「でももう治ってるんです。生活には支障ないんですけど、こう振り下ろす動作をするのが駄目でバレーからは離れました」

肩から腕を回してみせる。

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