be your star.
ヤマダさんは静かに私の左側に移動して、左腕を絡ませてきた。寒いのか。
「辛くない?」
「もう治ってるので、」
「バレーできないの、辛くない?」
覗き込まれるように問われて、瞳の奥を暴かれる気がした。
冷たい、その温度が。
この人の何をそんなに。
「辛くて不貞腐れた時期もあったけど、好きなことは変わらないから」
笑ってみせる。
「好きなことは昔も、今も、これからもずっと大事にする」
人生は地続きだ。
漫画の主人公みたいにタイムリープして怪我する前には戻れない。振り下ろした腕も、言った言葉も。