be your star.
別に、って。
まあ良いけれど。
「ここに来れば、何か変わるかなって……」
「ボーカルの人に、会えるかなとか?」
「……そうそう」
「……ヤマダさんって」
思わず笑った。ヤマダさんがこちらを見る。
「小さな嘘、吐きますね」
その表情は見ずに立ち上がった。
「ドリンク持ってきます」
部屋を出て、ドリンクバーコーナーへと向かう。ヤマダさんを一人、置いてきてしまった。
CDショップもカラオケも一人で入れないのに、大丈夫だろうか。
いや、大丈夫でしょ。
一人でここに来たんだし。