be your star.
春と酒


「鍔木詠一(えいいち)です、よろしく」
「ツバキさん」
「詠一って呼んでよ」
「詠一」

パッとこちらを見るので照れくさく、「さん」とつける。

「なんでここに来ようと思ったんですか? そういえば、最初に神社探してましたっけ」
「神社は、駅のポスターにでっかく貼ってあったから」

思えば、私はあの時の願いが叶っていた。

ツバキさんは思い返すように空を見上げた。
それから昔から馴染みのあるCMソングを鼻歌を歌う。

昨日も歌っていることがあった。

ツバキさんが泊まっていたホテルのCM。

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