be your star.
「すみません」
「ごめんなさい」
「あれ」
下げた頭を上げる。その男性はハットを被り、サングラスをしていた。じっとこちらを見ており、反射的にじりじりとこちらは後退した。
「ラーメン屋店員」
サングラスを下げて、瞳が見えた。その知った顔にぶわっと安堵が押し寄せて、無意識に駆け寄ってしまった。
「あー、説明会」
なるほどね、と篠山さんはハットを取って隣に置いた。
「こっちで就職すんの?」
「いえ、未定です」
私は固い黒いトートバッグを置いてジャケットを脱ぐ。