be your star.
辛くても、変わらなかった。
そういう風に答えは出ていたらしい。
「ただ声も変わらないし、バンドの好評さも変わらない」
「良いことですね」
「え、これって良いこと?」
「現状維持は継続の努力の証です」
私はペットボトルの水に少し口をつける。
ツバキさんは首を傾げて私の顔を下から覗いた。
「寧子ちゃんは何になりたいの?」
その質問は、私の方が誰かに尋ねたかった。
視線から逃げるように蓋を閉める。
「やっぱり名刺返しとく?」
「いえ、モデルは絶対に無いので……」
「じゃあ寧子ちゃんの最近の話聞かせてよ」