【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
 そんな二人の姿を見ながら、つい人差し指を口に持って行きそうな自分を諫めるケイティ。
 だが、内心には少しの嫉妬がくすぶる。

(最近は大きくなってめっきり私には甘えてくれなくなったのに、あんなに素直な可愛い姿を見せるなんて……)

 羨ましさに、ケイティはシスターと自分の外見的要素を見比べる。

(やはり大きさよね、あの包み込むようなふっくらとした身体からゆとりのある心が生み出されているのかしら……? 私も彼女を見習って食事を……ハッ!?)

 ケイティはその思考に雷に打たれたかのような表情を浮かべた。

(まさか、公爵様はこの事を伝えたくて御嬢様に大量のお食事をお与えに……? ふっくらした余裕のある女性になれと……。そういう方がお好きということなのですか……そうなのですね!?)

 図らずも……斜め上にズレて繋がった思考を真実と勘違いしたケイティは胸に誓う。

(わかりました……御嬢様を公爵様に気に入っていただく為ならば、私の分も断腸の思いで捧げましょう。公爵家の美食は惜しいです……けれどこのケイティ、御嬢様の為ならお腹が空きすぎて倒れようと一向に構いませんわ……くぅっ!)
(ケイティ、難しい顔をして……何か悩みでもあるのかしら?)

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