【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
そんな悲壮(?)な覚悟を固め拳を握る彼女の事を不思議そうに思いながらも、リュミエールは別の話題をシスターへと向けた。
「そういえば……シスターはこの国の伝承に詳しいのよね? お聞きしたいことがあるのだけど、いいかしら」
「はい、私の知る所でしたら、なんでも」
「信じてはもらえないかも知れないけど……私、夢の中で銀の竜に会って、名前まで聞いているの。彼は失くしてしまった大切な人を想いながら長い間苦しんでいたみたいで……。シスターは伝承をよくご存じだと思うから、その中にレグリオという方が出て来るかどうか教えてもらえないかしら」
「ふむ~……レグリオ様、でございますか……。銀の竜……もしかすると、あれが役に立つかもしれませんね。少しお待ちくださいませ……」
シスターは奥へ引っ込むと、一つの古い巻物を手にして戻った。
「私の知る限り、銀の竜の伝承に個人名はあまり出て来ないのでございますよ。ですが、私どもも一応公爵家の葬祭へ関わっておりますので、家系図の写しをいただいているのでございます。あまり他言はなさらないようにお願いしますね」
「あ、ありがとう、助かるわ!!」
片目をつぶり彼女が広げた巻物には、ハーケンブルグ公爵家の名だたる偉人がずらりと並んでいるのだが、リュミエールが探すのは一つの名前だけだ。
「あるかしら……レグリオ、レグリオ……」
「そういえば……シスターはこの国の伝承に詳しいのよね? お聞きしたいことがあるのだけど、いいかしら」
「はい、私の知る所でしたら、なんでも」
「信じてはもらえないかも知れないけど……私、夢の中で銀の竜に会って、名前まで聞いているの。彼は失くしてしまった大切な人を想いながら長い間苦しんでいたみたいで……。シスターは伝承をよくご存じだと思うから、その中にレグリオという方が出て来るかどうか教えてもらえないかしら」
「ふむ~……レグリオ様、でございますか……。銀の竜……もしかすると、あれが役に立つかもしれませんね。少しお待ちくださいませ……」
シスターは奥へ引っ込むと、一つの古い巻物を手にして戻った。
「私の知る限り、銀の竜の伝承に個人名はあまり出て来ないのでございますよ。ですが、私どもも一応公爵家の葬祭へ関わっておりますので、家系図の写しをいただいているのでございます。あまり他言はなさらないようにお願いしますね」
「あ、ありがとう、助かるわ!!」
片目をつぶり彼女が広げた巻物には、ハーケンブルグ公爵家の名だたる偉人がずらりと並んでいるのだが、リュミエールが探すのは一つの名前だけだ。
「あるかしら……レグリオ、レグリオ……」