【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
「では、私は不公平の無いように、審判でも務めさせていただきましょう。日が暮れる前に多くの獲物を狩って来た方の勝利ということで……それでは、始め!」

 宰相のルビディル殿は、リーベルト王国の屋台骨と名高い優秀な人物だ。
 仮に王太子が勝ち無茶な要求をしようと、うまくなだめてくれるだろう。

 彼が発した合図が響き、狩りが始まった。
 二人はそのまま馬で駆けてゆくが……馬上では弓の狙いはなかなかうまく定まるまい。

 俺は馬を降り、ルビディル殿に預けようとする。
 すると彼は首を振り、馬の手綱を受け取らずに黙って紙片を馬の体と鞍の間に滑り込ませた。

(何かあるのか……?)

 その強い視線を不審に思いつつもそのままその場から離れ、誰もいないことを確認して紙を開き内容をあらためる。

 そこには驚くべき内容が記されている……。

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