【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
 ニャウ、と彼が答えたのでリュミエールは腹部に手を埋める。そこは更にふかふかで、リュミエールはあっと言う間に小公爵のとりこになる。
 甘えるように体をくねらせる小公爵の腹毛を彼女は存分に堪能(たんのう)した。

「はぁ……なんて素晴らしい毛並みなのかしら。とても可愛いわ」
「ふふ、すっかり気に入られたようですわね。中々お腹は触らせてもらえませんのよ」

 パメラはおかしそうに口に手を当て、ケイティもたまらず手のひらを開け閉めしながら寄って来る。

「わわ、私も! 私も触らせて下さい! お願いします!」
「ふふ、それじゃ交代ね」

 リュミエールが正面から退き、ケイティが手を伸ばすが……。

「……ナゥ」

 ぐいっ……と小公爵は手を伸ばして抗議するようにそれを押しのける。

「あれぇ……?」

 ケイティはもう一回挑戦する。
 だが、またしてもウゥ……と唸りながら小公爵はケイティの手を妨害する。

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