【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
防寒具を掻き合わせて彼女が震えるのに、フレデリクは頷く。
「そうだろうね……でも僕はこの季節がとても好きだ。寒い季節に外へ出て、枯れた樹木や一面の白い雪を見ていると何となく時間が止まってしまったような気分がしてこない?」
「はぁ……」
リュミエールは彼がこんなことを言うのが意外だった。彼は柔和で快活で、どちらかというと春を思い浮かべるような朗らかな人格をしていると思っていたから。
「本当に毎年、このまま時間が止まってくれたらと思ってるけど……そういうわけにはいかないからね……。あいつと馬鹿なやり取りをしていられる時間も、もう終わりに近づいているのさ」
「そうなのですか……」
彼も家を継ぐ身だ……やがてここには訪れなくなってしまうのかも知れない。それをなにより悲しむのはやはりレクシオールだろうと、沈んだ顔を見せるリュミエールに、フレデリクは出し抜けに笑顔で尋ねた。
「リュミエールは彼のことをどう思う?」
「はいっ!? あ、あの……ええ……と、とっても面白い方だと!」
(お、御嬢様……! それは男性をおほめになる言葉としてあまり適当ではありません!)
「そ、そうね……! ええと、お綺麗だけど、中身は素直な少年のようで……最近は怒った顔も見慣れて少し可愛らしく思えて来たわ……!」
「そうだろうね……でも僕はこの季節がとても好きだ。寒い季節に外へ出て、枯れた樹木や一面の白い雪を見ていると何となく時間が止まってしまったような気分がしてこない?」
「はぁ……」
リュミエールは彼がこんなことを言うのが意外だった。彼は柔和で快活で、どちらかというと春を思い浮かべるような朗らかな人格をしていると思っていたから。
「本当に毎年、このまま時間が止まってくれたらと思ってるけど……そういうわけにはいかないからね……。あいつと馬鹿なやり取りをしていられる時間も、もう終わりに近づいているのさ」
「そうなのですか……」
彼も家を継ぐ身だ……やがてここには訪れなくなってしまうのかも知れない。それをなにより悲しむのはやはりレクシオールだろうと、沈んだ顔を見せるリュミエールに、フレデリクは出し抜けに笑顔で尋ねた。
「リュミエールは彼のことをどう思う?」
「はいっ!? あ、あの……ええ……と、とっても面白い方だと!」
(お、御嬢様……! それは男性をおほめになる言葉としてあまり適当ではありません!)
「そ、そうね……! ええと、お綺麗だけど、中身は素直な少年のようで……最近は怒った顔も見慣れて少し可愛らしく思えて来たわ……!」