【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
ケイティが焦った様子で耳打ちし、リュミエールはとにかくなにかいいことを言おうと頑張ってみたのだが、うまくいかない。
「御嬢様ぁ……」
「くくっ……あはははは! そうだね、うん、僕もそう思う。やっぱり君は他の人とは違うね……」
だが、フレデリクはしばらく大げさに腰を折って笑ってくれた……とても嬉しそうに。
そうした後で、真面目な顔で彼は言う。
「……あいつの事をよろしく頼むよ。意地っ張りだが、友達思いのいい奴だから……うんと幸せにしてやって欲しいな」
「……私にできるでしょうか」
「僕はそう信じてる……彼も内心では君のことを憎からず思っているはずさ」
「は、はい……頑張ります」
恥ずかしくなって俯くリュミエールに片目を閉じて笑いかけ、フレデリクはぐっと背を伸ばしスッキリした顔で小さく告げた。
「ありがとう……これでもう思い残すことは無いな」
「……?」
その呟きの意味は、リュミエールには良くわからなかった。
「――あっ、御嬢様、見て下さい! ウサギが二羽こちらを見てますよ……白いのと茶色いのが!」
「う、うん……」
しかし真意を訪ねる前にケイティの声に誘われて意識がそちらへ向き、その内そんな疑問は記憶の底に埋もれて隠れてしまった。
「御嬢様ぁ……」
「くくっ……あはははは! そうだね、うん、僕もそう思う。やっぱり君は他の人とは違うね……」
だが、フレデリクはしばらく大げさに腰を折って笑ってくれた……とても嬉しそうに。
そうした後で、真面目な顔で彼は言う。
「……あいつの事をよろしく頼むよ。意地っ張りだが、友達思いのいい奴だから……うんと幸せにしてやって欲しいな」
「……私にできるでしょうか」
「僕はそう信じてる……彼も内心では君のことを憎からず思っているはずさ」
「は、はい……頑張ります」
恥ずかしくなって俯くリュミエールに片目を閉じて笑いかけ、フレデリクはぐっと背を伸ばしスッキリした顔で小さく告げた。
「ありがとう……これでもう思い残すことは無いな」
「……?」
その呟きの意味は、リュミエールには良くわからなかった。
「――あっ、御嬢様、見て下さい! ウサギが二羽こちらを見てますよ……白いのと茶色いのが!」
「う、うん……」
しかし真意を訪ねる前にケイティの声に誘われて意識がそちらへ向き、その内そんな疑問は記憶の底に埋もれて隠れてしまった。