【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
銀糸を束ねてもこうは光るまいという艶の保たれた長い髪。
半月のように薄く品良く形作られた唇。
そして、なによりもその――深い森の奥で静かにたゆたう湖のような……蒼玉の色をした硬質で他を寄せ付けぬ強さを秘めた瞳。
神様が手ずから作られたような顔立ちの青年は、窓際で一人の友人とかたらいながらグラスを傾けている。だが、その瞳はどこか寂しさを隠しているように思えて……。
「――エル、あなたも来ていたのね……当たり前か。王太子様の婚約相手だものねぇ」
ぼうっとしていたリュミエールは、背中側からかけられたその声にはっとした。
「リーシア姉様……」
リュミエールを見下ろしていたのは、彼女と二つ違いの下の姉であるリーシア・フィースバーク。見事な赤の巻き毛をかき上げると、彼女は笑みを歪ませる。
「ダメよぉ……主役の相方がこんな所にいては、盛り上がらないじゃないの。さぁ、こっちに来なさい。みんなに紹介してあげるわ!」
半月のように薄く品良く形作られた唇。
そして、なによりもその――深い森の奥で静かにたゆたう湖のような……蒼玉の色をした硬質で他を寄せ付けぬ強さを秘めた瞳。
神様が手ずから作られたような顔立ちの青年は、窓際で一人の友人とかたらいながらグラスを傾けている。だが、その瞳はどこか寂しさを隠しているように思えて……。
「――エル、あなたも来ていたのね……当たり前か。王太子様の婚約相手だものねぇ」
ぼうっとしていたリュミエールは、背中側からかけられたその声にはっとした。
「リーシア姉様……」
リュミエールを見下ろしていたのは、彼女と二つ違いの下の姉であるリーシア・フィースバーク。見事な赤の巻き毛をかき上げると、彼女は笑みを歪ませる。
「ダメよぉ……主役の相方がこんな所にいては、盛り上がらないじゃないの。さぁ、こっちに来なさい。みんなに紹介してあげるわ!」