【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
 見え透いた私の世辞に気分を良くしたものの、前回の件で慎重になっているのか顔を引き締め私に告げる王子。
 
「……では、計画は月の最後に行うこととしよう。今回はお前は着いて来なくていい……私とサンドラだけでやる。では、もう行っていいぞ」
「御意に……成功を祈っております」

 犬を追い払うように手を振る彼に私は恭しく頭を下げてと退出し……次はある場所へ向かう。

「――と、いうわけです。さすがに命を取るようなことまではしないと思いますが……」

 城内の隠された通路を通り過ぎた先にある暗い部屋に入ると、そこには影の様に青年が佇んでいた。

 もちろん、ロベルト第二王子だ……万が一私と彼の繋がりが知れると不味い為、密談の場所を変えることにしたのだ。

「全く……ルビディルよ、奴の行動を誘導する為とはいえあまり公爵をダシにしてやるなよ。とはいえ、これは好都合かもしれないな。実はハーケンブルグの血筋の者には、代々毒が効かないらしい」
「そ、それは真なのですかな!?」

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