【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~

小公爵の導き①

(一体どうしたのかしら……何か、嫌われるようなことしてしまったのかな)

 公爵とはあの日以来、あまり話せていない。
 体調は回復したようで、政務に復帰してはいるが……リュミエールと会えどするのは挨拶位のもので、目も合わさない。まるで出会った頃に戻ってしまったような……。

 せっかく彼の顔を見ても、緊張せずに話せるようになって来たのに……。

(寂しいな……)

 リュミエールは外に伸びる枯れたスグリの枝を指でつついた。

 寒々しい景色を見つめながら一人でいると尚更、言いようのない寂しさが募り……リュミエールは白いため息を吐いて窓を閉める。 

 シスターにお話でも聞いてもらおうかと、う~んと背伸びしたリュミエールの耳に届いたのは……か細い猫の鳴き声だった。

「――ニャー……」
(あら……?)

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