【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
(レックスが最後に母に会ったのは、領内に帰って来た直後の一度だけのはずだ。あやつも私も結局レジーナの死には立ち会えなかったからな。葬儀の後も誰の話も耳に入らないような状態が続き、妻を失くして悲嘆にくれていた私はあやつに、つい強く当たってしまった……)
口惜しそうな声音から彼のままならない思いが伝わり、胸が締め付けられる。
(不運は続くものだな……お互いに和解できぬまま、私はある日事故で命を落とした。本当に親として伝えるべきことを伝えられぬまま、私達は……)
そっと目を閉じ体を震わせる小公爵の背中を撫でながら、リュミエールの目は潤んでいた。
(もう少しだけ、時間があったなら……わかり合うこともできたかも知れないのに……)
リュミエールはこの家族の行き違いが悲しくてならなかった。
皆がお互いの事を大事に思っていたのは、確かなはずなのに。
彼女のように愛情の無い家族の元で過ごしたわけでは無く、お互いを思い合う気持ちのもつれと不幸が重なり、幸せは最後に歪んでしまった。
(――もし私だったら……。私は彼にどうなって欲しいの?)
口惜しそうな声音から彼のままならない思いが伝わり、胸が締め付けられる。
(不運は続くものだな……お互いに和解できぬまま、私はある日事故で命を落とした。本当に親として伝えるべきことを伝えられぬまま、私達は……)
そっと目を閉じ体を震わせる小公爵の背中を撫でながら、リュミエールの目は潤んでいた。
(もう少しだけ、時間があったなら……わかり合うこともできたかも知れないのに……)
リュミエールはこの家族の行き違いが悲しくてならなかった。
皆がお互いの事を大事に思っていたのは、確かなはずなのに。
彼女のように愛情の無い家族の元で過ごしたわけでは無く、お互いを思い合う気持ちのもつれと不幸が重なり、幸せは最後に歪んでしまった。
(――もし私だったら……。私は彼にどうなって欲しいの?)