【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
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二人は数名の護衛を連れながら城から一番近い街を見回る。
レクシオールは住民達にもその姿を良く知られているらしく、祝福の声を受けながらの道行きに真っ赤になるリュミエール。
「こ、これはちょっと恥ずかしいです……」
「慣れろ。悪意があるわけではないんだ……適当に微笑んでいればいい」
「は、はぁ……でもどこへ向かっているのですか」
「こういうものは秘密にしておくものだと聞いた。変な所へは連れて行かないから安心しろ」
「わかりました……」
ぎこちない笑顔を作るのが精一杯のリュミエールを連れてレクシオールが訪れたのは、一軒の宝飾店だった。
紅玉、真珠、翠玉、紫水晶……硝子棚の中で色とりどりの宝玉が輝きを競っていて、見るだけでリュミエールは頭がくらくらしてしまう。
「何か欲しいものはあるか?」
「え、いいえ! その、実は私こういうものの良し悪しがあまり良く分からなくて。向こうでは姉様方のお下がりをいただくのがせいぜいでしたから……」
「そういえば、こちらに来た時も随分質素な身なりをしていたな」
「はい……ですので今公爵家でお借りしている分で私としては十分です」
「そうか……ならいいさ。少し待て」
二人は数名の護衛を連れながら城から一番近い街を見回る。
レクシオールは住民達にもその姿を良く知られているらしく、祝福の声を受けながらの道行きに真っ赤になるリュミエール。
「こ、これはちょっと恥ずかしいです……」
「慣れろ。悪意があるわけではないんだ……適当に微笑んでいればいい」
「は、はぁ……でもどこへ向かっているのですか」
「こういうものは秘密にしておくものだと聞いた。変な所へは連れて行かないから安心しろ」
「わかりました……」
ぎこちない笑顔を作るのが精一杯のリュミエールを連れてレクシオールが訪れたのは、一軒の宝飾店だった。
紅玉、真珠、翠玉、紫水晶……硝子棚の中で色とりどりの宝玉が輝きを競っていて、見るだけでリュミエールは頭がくらくらしてしまう。
「何か欲しいものはあるか?」
「え、いいえ! その、実は私こういうものの良し悪しがあまり良く分からなくて。向こうでは姉様方のお下がりをいただくのがせいぜいでしたから……」
「そういえば、こちらに来た時も随分質素な身なりをしていたな」
「はい……ですので今公爵家でお借りしている分で私としては十分です」
「そうか……ならいいさ。少し待て」