【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
「……さあ、今日はそろそろ休もうか。夜更かししてまた倒れたら、リュミエールを泣かせちゃうだろ?」
「お前な……ぶん殴るぞ!」
「ハハハ、それは勘弁。だけどさ……まぁ、彼女をちゃんと幸せにして上げなよ。僕も思うよ、君達を互いに幸せにできるのは、君達自身だけだって」
「……フン」
レクシオールの横顔はまだ怒ってはいたが、どこか、まんざらでもない雰囲気を備えている。そしてフレデリクは昔を懐かしむように目を閉じて言った。
「これでお目付け役もお役御免って訳だ。初めて会ってから、六年位経ったかな……」
――彼とレクシオールが会ったのは宮廷学校入学当初のことだ。その容姿と公爵家という身分があって目立つ生徒として孤立していた彼に、何となく引き寄せられる形で行動を共にした……彼といれば、面白いことに立ち会える気がしたのだ。
真反対な性格のフレデリクを最初は無視していた彼も、時間が経つにつれその態度を崩し……ぶっきらぼうなのは変わらずとも少しずつ言葉を返すようになった。大半は文句だったが。
「お前な……ぶん殴るぞ!」
「ハハハ、それは勘弁。だけどさ……まぁ、彼女をちゃんと幸せにして上げなよ。僕も思うよ、君達を互いに幸せにできるのは、君達自身だけだって」
「……フン」
レクシオールの横顔はまだ怒ってはいたが、どこか、まんざらでもない雰囲気を備えている。そしてフレデリクは昔を懐かしむように目を閉じて言った。
「これでお目付け役もお役御免って訳だ。初めて会ってから、六年位経ったかな……」
――彼とレクシオールが会ったのは宮廷学校入学当初のことだ。その容姿と公爵家という身分があって目立つ生徒として孤立していた彼に、何となく引き寄せられる形で行動を共にした……彼といれば、面白いことに立ち会える気がしたのだ。
真反対な性格のフレデリクを最初は無視していた彼も、時間が経つにつれその態度を崩し……ぶっきらぼうなのは変わらずとも少しずつ言葉を返すようになった。大半は文句だったが。