【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
あっさりとした別れの言葉にレクシオールは、覚悟していたように頷く。
だが瞳の奥はわずかに動揺で揺らいでいる。
「……領地を継ぐのか?」
「ああ……ま、そんなところさ。僕も嫁さんを見つけなきゃならないし……今後とも我がハイネガー伯爵家をよろしく、なんてね」
冗談のように軽い調子でフレディは手袋を脱いで片手を差し出す。
レクシオールは席を立って、それを痛い位固く握る。
友人として、永い間自分を支えてくれた彼との思い出と、言い尽くせない思いが彼の胸をよぎるが……涙など流すのは無粋だと思ったのか、悪友を送るためにレクシオールは口元にふてぶてしい笑みを浮かべた。
「世話になったな、フレディ。いい嫁さんを見つけろよ」
「嫌味かい、それ? 見てろよ、絶対にリュミエールより美人で可愛い令嬢と婚約して、吠え面かかせてやる」
「ありえんな……そんなものこの世に存在するわけがない。せいぜい無駄な努力をあがいてみろ」
いつしか二人は額を突き合わせるようにして意地を張り合い、そして最後に噴き出した。
フレデリクは本当に満足したように笑い、レクシオールの肩を叩く。
だが瞳の奥はわずかに動揺で揺らいでいる。
「……領地を継ぐのか?」
「ああ……ま、そんなところさ。僕も嫁さんを見つけなきゃならないし……今後とも我がハイネガー伯爵家をよろしく、なんてね」
冗談のように軽い調子でフレディは手袋を脱いで片手を差し出す。
レクシオールは席を立って、それを痛い位固く握る。
友人として、永い間自分を支えてくれた彼との思い出と、言い尽くせない思いが彼の胸をよぎるが……涙など流すのは無粋だと思ったのか、悪友を送るためにレクシオールは口元にふてぶてしい笑みを浮かべた。
「世話になったな、フレディ。いい嫁さんを見つけろよ」
「嫌味かい、それ? 見てろよ、絶対にリュミエールより美人で可愛い令嬢と婚約して、吠え面かかせてやる」
「ありえんな……そんなものこの世に存在するわけがない。せいぜい無駄な努力をあがいてみろ」
いつしか二人は額を突き合わせるようにして意地を張り合い、そして最後に噴き出した。
フレデリクは本当に満足したように笑い、レクシオールの肩を叩く。