【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
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「ンッン~♪」
流れているのは軽妙な鼻歌だ。
ここは侯爵家の厨房……普通であれば何人もの料理人が忙しく働いている所だろうが、もうここには、長らく料理長を務めあげたこの小太りの男だけしか残っていない。
すでに最初に出す茶器の用意はでき、それは彼の後ろのカートに準備されている。
彼が不思議に思っていたのは、侯爵が紅茶を入れるポットを三つに分け、どのポットのお茶をどの組に出すのか分けよと仰せになったことだった。
王太子様達には赤いポット、公爵様達には青いポット、オルゲナフ侯爵様達には黄色のポットのものを出すようにとのことだったので、彼は言われた通りにその準備を整えておく。
「ポット~ポット~ティ~ポット……ティティッティ~ポッポッ~……ンッンン~ン♪ ……おや?」
丸い体を揺すりながら機嫌良く茶菓子作りを進める彼の後ろで、なにやら荒々しい足音がした為振り向いてみると……次女のリーシア嬢が厨房の中に入り込み準備したポットの付近でカチャカチャと何かをしている。
「ンッン~♪」
流れているのは軽妙な鼻歌だ。
ここは侯爵家の厨房……普通であれば何人もの料理人が忙しく働いている所だろうが、もうここには、長らく料理長を務めあげたこの小太りの男だけしか残っていない。
すでに最初に出す茶器の用意はでき、それは彼の後ろのカートに準備されている。
彼が不思議に思っていたのは、侯爵が紅茶を入れるポットを三つに分け、どのポットのお茶をどの組に出すのか分けよと仰せになったことだった。
王太子様達には赤いポット、公爵様達には青いポット、オルゲナフ侯爵様達には黄色のポットのものを出すようにとのことだったので、彼は言われた通りにその準備を整えておく。
「ポット~ポット~ティ~ポット……ティティッティ~ポッポッ~……ンッンン~ン♪ ……おや?」
丸い体を揺すりながら機嫌良く茶菓子作りを進める彼の後ろで、なにやら荒々しい足音がした為振り向いてみると……次女のリーシア嬢が厨房の中に入り込み準備したポットの付近でカチャカチャと何かをしている。