【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
◆
冷え切った石壁に背中を預ける第二王子ロベルトは、階段を叩く足音に目を開く。
「……どうであった? ルビディル」
「どうもこうも……あそこまでねじ曲がっておられたとは、いっそ清々しい程ですな」
階上から姿を現したルビディルに、ロベルトは肩をすくめた。
「昔からああだったよ、あいつは。欲しいものは必ず自分の思い通りにしなければ気が済まない……。あんな奴がもし王と成ったら、隣国の姫君でも見染めて、侵略戦争を仕掛けたりしかねないんじゃないか……ハハ」
冗談だが、冗談では済まないようなことを言う彼の乾いた笑いが室内に響き、宰相は首を振った。
「馬鹿馬鹿しいこと甚だしい……ですがそれもこれまでです。……王太子殿はご自身で破滅への道筋を選んでしまわれました」
ルビディルはロベルトに耳打ちした。
彼の口から話されたのは、もちろん王太子の計画の概要だ。
冷え切った石壁に背中を預ける第二王子ロベルトは、階段を叩く足音に目を開く。
「……どうであった? ルビディル」
「どうもこうも……あそこまでねじ曲がっておられたとは、いっそ清々しい程ですな」
階上から姿を現したルビディルに、ロベルトは肩をすくめた。
「昔からああだったよ、あいつは。欲しいものは必ず自分の思い通りにしなければ気が済まない……。あんな奴がもし王と成ったら、隣国の姫君でも見染めて、侵略戦争を仕掛けたりしかねないんじゃないか……ハハ」
冗談だが、冗談では済まないようなことを言う彼の乾いた笑いが室内に響き、宰相は首を振った。
「馬鹿馬鹿しいこと甚だしい……ですがそれもこれまでです。……王太子殿はご自身で破滅への道筋を選んでしまわれました」
ルビディルはロベルトに耳打ちした。
彼の口から話されたのは、もちろん王太子の計画の概要だ。