【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~


 謁見の間に居並ぶ重臣達は少数だったが、いずれも高位の国政を司る者達ばかりである。

 そして二人を出迎えるのはこの国で王族に次ぐ地位を誇る、公爵位を持つルビディルという宰相だ。

「お待ちしておりました、お二人とも。では陛下の御前にお進みください」

 そこら中から(かも)し出されている威厳にリュミエールは緊張して息が詰まりそうになったが……レクシオールが微笑みかけるのを見て、深呼吸し気を落ち着かせる。

(ゆっくり行こう……大丈夫だ)
(は、はい)

 ゆっくりと赤いじゅうたんを踏みしめながら、二人は玉座の前へと歩んでゆく。

 そこにはもちろん偉大な国王陛下の姿が、そして、向かって左には王太子、右には第二王子が並んでいた。二人はその数歩前まで進み出て地面にひざをつき、国王の言葉を待つ。

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