【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
「それはできぬ。未遂とはいえ、王太子の命を奪いかけたのだ。その場で処刑されなかっただけ幸運と思いなさい」
「はい……申し訳ありません。では、一つお願いがございます。あの家に務めていた者達の所在を突き止め、その後の暮らしに困らぬように、財を与えていただけますでしょうか」
「ふむ……フィースバーク領のことはいいのか?」
「はい、私の手に余りますので。適切な方に治めてもらうことが出来れば領民たちも安心することでしょう……私にはこれ以上望むことはございません」
「あいわかった。そなたの望みは叶えよう」
国王はリュミエールの望みを受け入れ、恩賞授与はつつがなく終了する。
だが、この場はそれでは終わらなかった。
彼はそれまで穏やかであった目を鋭くし、厳しい声を出す。
「このような場で済まぬが、二人とも、少し残ってもらえるか。――カシウスよ、この者達に申し開くことはないか?」
「わ、私がでございますか? な、なにゆえです?」
王太子カシウスは国王にじっと睥睨され、半笑いで体をビクリを強張らせる。
額からじわりと汗がにじみ出し、喉がゴクリと動く。
「……わ、私に何か、至らぬ点でもございましたでしょうか?」
「自分から話すつもりは無いのだな?」
「…………な、何のことかわかりません」
「はい……申し訳ありません。では、一つお願いがございます。あの家に務めていた者達の所在を突き止め、その後の暮らしに困らぬように、財を与えていただけますでしょうか」
「ふむ……フィースバーク領のことはいいのか?」
「はい、私の手に余りますので。適切な方に治めてもらうことが出来れば領民たちも安心することでしょう……私にはこれ以上望むことはございません」
「あいわかった。そなたの望みは叶えよう」
国王はリュミエールの望みを受け入れ、恩賞授与はつつがなく終了する。
だが、この場はそれでは終わらなかった。
彼はそれまで穏やかであった目を鋭くし、厳しい声を出す。
「このような場で済まぬが、二人とも、少し残ってもらえるか。――カシウスよ、この者達に申し開くことはないか?」
「わ、私がでございますか? な、なにゆえです?」
王太子カシウスは国王にじっと睥睨され、半笑いで体をビクリを強張らせる。
額からじわりと汗がにじみ出し、喉がゴクリと動く。
「……わ、私に何か、至らぬ点でもございましたでしょうか?」
「自分から話すつもりは無いのだな?」
「…………な、何のことかわかりません」