【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
 すると、周りの貴族からも次々と批判の声が上がった。

「私の息子は王太子の不興を買った為、取り巻きに嫌がらせをされて当時在籍していた学校を退学させられ、二度と王都には戻りたくないと言って部屋から出て来なくなりました……薬を飲んで死のうとしたこともあるのですぞ!」
「友人の娘は、当時婚約していた男性から急に袖にされたのですが、それも話によると王太子が強引に自分の宮女にせんと働きかけたかららしいではないですか! そのような傍若無人なふるまい……次の王たる方とはいえ、許されていいものなのですか!」

 余程うっぷんが溜まっていたのか、場の雰囲気に当てられたのか……次々と非難を浴びせかける貴族が現れ始める。そして王太子の味方をしようとする人間は一人もいなかった。

(なんてことかしら……)
(皆考えることは同じだったというわけか……)

 その光景を眺めていたリュミエールとレクシオールは息を呑む。
 そして、第二王子が先程の紙束を国王へと差し出し、問いかけた。

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