【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
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「御嬢様、お久しぶりにございます……お美しくなられて、見違えましたぞ!」
「セルバン!! 元気にしていたかしら!」
リュミエールは恰幅の良い老紳士に抱きついた。セルバンの腕には彼女が送った黄玉のカフスボタンが相変わらず輝いている。
彼はフィースバーク侯爵家で元々リュミエールの世話をしていた執事で、彼女の育ての親と言っても過言では無かった。今は隣の男と、この広い墓地の管理をしているらしい。
レクシオールは傍にいるもう一人の男と挨拶を交わす。
「私は、北にあるハーケンブルグ領を治めているレクシオール・ハーケンブルグと言う。リュミエールの婚約者だ」
「おお……これはご丁寧に。私はセルバンの友人でシュミットルと申します。フィースバーグの家が公爵家であった頃より代々この墓地を守り続けて来た一族のものです」
仰々しい礼を取ろうとした彼を押し止め、レクシオールはその柔和そうな老人と握手を交わした。土いじりが仕事なのか、手のひらはささくれていて分厚い。リュミエールも続いて、彼に頭を下げる。
「あなたがリュミエール様にございますか……。おお、始まりの聖女様とまるで瓜二つにございますな」
「御嬢様、お久しぶりにございます……お美しくなられて、見違えましたぞ!」
「セルバン!! 元気にしていたかしら!」
リュミエールは恰幅の良い老紳士に抱きついた。セルバンの腕には彼女が送った黄玉のカフスボタンが相変わらず輝いている。
彼はフィースバーク侯爵家で元々リュミエールの世話をしていた執事で、彼女の育ての親と言っても過言では無かった。今は隣の男と、この広い墓地の管理をしているらしい。
レクシオールは傍にいるもう一人の男と挨拶を交わす。
「私は、北にあるハーケンブルグ領を治めているレクシオール・ハーケンブルグと言う。リュミエールの婚約者だ」
「おお……これはご丁寧に。私はセルバンの友人でシュミットルと申します。フィースバーグの家が公爵家であった頃より代々この墓地を守り続けて来た一族のものです」
仰々しい礼を取ろうとした彼を押し止め、レクシオールはその柔和そうな老人と握手を交わした。土いじりが仕事なのか、手のひらはささくれていて分厚い。リュミエールも続いて、彼に頭を下げる。
「あなたがリュミエール様にございますか……。おお、始まりの聖女様とまるで瓜二つにございますな」