【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
そんなささやかな願いを込めて焼いたアップルパイを片手に、レクシオールがふと呟く。
「……いい日だな」
「はい?」
二人の向かいには優雅に寝転ぶ小公爵相手に今日こそはと駆け引きを行うケイティ。外から伝わるのは働く人々の笑い声や、訓練する兵達の威勢のいい掛け声、ささやかな自然の奏でる音。
ここにあるのは全て、何の変哲の無い日常のひと時だけだ。
「いや、今……何となくそう思った。ありがとう、リュミエール」
「……はいっ!」
聞き返した言葉にもはっきりした答えは無かったが、レクシオールの満足そうな顔を見れたなら、リュミエールにも言うことは無い。
彼の腕に思いきり肩をくっつけると、満面の笑みを見せる。
「――あ~ん、連れないお方! なんなんですの? 何が気に入りませんの? こんなに恋焦がれておりますのに……! はぁ……もう行きますの? いってらっしゃいませ」
「……いい日だな」
「はい?」
二人の向かいには優雅に寝転ぶ小公爵相手に今日こそはと駆け引きを行うケイティ。外から伝わるのは働く人々の笑い声や、訓練する兵達の威勢のいい掛け声、ささやかな自然の奏でる音。
ここにあるのは全て、何の変哲の無い日常のひと時だけだ。
「いや、今……何となくそう思った。ありがとう、リュミエール」
「……はいっ!」
聞き返した言葉にもはっきりした答えは無かったが、レクシオールの満足そうな顔を見れたなら、リュミエールにも言うことは無い。
彼の腕に思いきり肩をくっつけると、満面の笑みを見せる。
「――あ~ん、連れないお方! なんなんですの? 何が気に入りませんの? こんなに恋焦がれておりますのに……! はぁ……もう行きますの? いってらっしゃいませ」