【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
(私は私の信じた通り、やるべきことをやるだけよ……)

 そう決心して、私は目の前の少女をきっと見据えた。
 彼女は相変わらずきれいな姿勢でのまま、視線をきつくした私に首を傾けた。

「ではリュミエール御嬢様、いくつか質問をさせていただきますが、よろしいですか?」
「ええ……お手柔らかに」

 私は、まずはこのリーベルト王国の沿革(えんかく)や、歴史上の主要な出来事を語らせて見せた。

 すると、リュミエール嬢はまるで教科書でも目の前にあるかのようにすらすらと答え……私も知らないような事実まで挙げて見せるので、面食らってしまう。

「お、お待ちくださいませ……よくご存じですわね。専門の教師がついてらっしゃったのですか?」
「いいえ、私本が好きだから、よく家の図書室に籠っていたの。執事が基本的なことは教えてくれたおかげで、色々なことを自分でも学べたわ」

 何でもないことのように言うが、勉学を身につけるには強い忍耐力と向上心が必要だ。余程その基礎を教え込んだ人物が優秀で、彼女自身も努力を惜しまない性格なのだろう。

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