【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
 一生懸命に彼らと交流しようとする、そんな小さな聖女の背中にケイティは嬉しそうに微笑みかけ、シスターに頭を下げる。

(ありがとうございます、シスター。おかげで御嬢様に自信がつきそうです)
(いえいえ、私はリュミエール様の信者第一号ですので……うふふ)
(あら、第一号で私ですよ、そこは譲れません……)

 そんなじゃれ合いをしながら、彼女の背中を見守る二人。

 ――そして外では。

(……ふむ? 流石だな、我がハーケンブルグ領の精兵達は……礼拝の際にも徹底して規律を乱さない。いいものを見た……彼らの待遇の改善を考えねばならんな)

 政務の傍ら忙しそうに通り過ぎるレクシオールが張り切って並ぶ兵士達を見かけ、王国の盾とは、かくあるべきなのだと……一人気分を良くしていた。

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