【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
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ここは公爵家一族用の食堂。
給仕たちが食事を運んで来る中、一人レクシオールだけが口を不満そうに曲げている。
忙しく、執務室で食事を行おうとする彼をフレデリクが半ば無理矢理に引っ張り、普段使用しないこの部屋で集まって昼食をとることになったのだ。
隣にはリュミエールが座っており、ケイティやパメラも同席している。
「なぜこの忙しい中、貴様らと悠長に食事をせねばならん……」
「何を言うんだ、レックス。これから君達は結婚生活を送るんだから、当たり前のことだろう? 少しずつでも相手の好みを知ってゆくことが家庭円満の秘訣……なんて」
「――俺はそんなもの、必要としていない」
隣にリュミエールがいる中、臆面もなくレクシオールは言ってのける。
(相変わらず、はっきりものをいうお方だわ……)
だが、彼女はこのレクシオールの性格は割と嫌いではない。
なんだかんだで席を立ったりはしないようだし、そこまで嫌がられているわけではないのだと思いたい……。少しずつ距離を縮める機会は、きっとあるはず……そんな事を思いながら、羊肉の煮込みを小さく切り分け、口へ運ぶ。
ここは公爵家一族用の食堂。
給仕たちが食事を運んで来る中、一人レクシオールだけが口を不満そうに曲げている。
忙しく、執務室で食事を行おうとする彼をフレデリクが半ば無理矢理に引っ張り、普段使用しないこの部屋で集まって昼食をとることになったのだ。
隣にはリュミエールが座っており、ケイティやパメラも同席している。
「なぜこの忙しい中、貴様らと悠長に食事をせねばならん……」
「何を言うんだ、レックス。これから君達は結婚生活を送るんだから、当たり前のことだろう? 少しずつでも相手の好みを知ってゆくことが家庭円満の秘訣……なんて」
「――俺はそんなもの、必要としていない」
隣にリュミエールがいる中、臆面もなくレクシオールは言ってのける。
(相変わらず、はっきりものをいうお方だわ……)
だが、彼女はこのレクシオールの性格は割と嫌いではない。
なんだかんだで席を立ったりはしないようだし、そこまで嫌がられているわけではないのだと思いたい……。少しずつ距離を縮める機会は、きっとあるはず……そんな事を思いながら、羊肉の煮込みを小さく切り分け、口へ運ぶ。