【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
(ん、美味しい! 温かくて柔らかくて……。彼女だけでも連れて来られてよかった)

 侯爵家では、継母からの指示で料理はケイティが取りに行くまで、しかも一番最後に残ったものしか与えらず……固くなったパンだけだった日もある。とばっちりをくらったセルバンやケイティにも随分ひもじい思いをさせてしまった。

「御嬢様……さすが公爵家のお食事は違いますね! 私、これなら贅肉が幾らついても諦めがつきます!」
「うふふ……ほどほどにね」

 隣で美味しそうにもりもりと食事をしているケイティを見ていると、リュミエールも嬉しくなり食が進む。

 それはさておき……リュミエールは割と好き嫌いが無い方なのだけれど、強いて言うならば内臓の煮込みなどは苦手だ。

 なんとなくブヨブヨとした食感が口の中に残る感じがして……。
 ゼリーなどは平気なのに、なぜかといつも思う。

 何を食べても表情を変えない彼の方はどうなのだろうかと、疑問が口を突いて出た。

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