【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
「レクシオール様は好き嫌いはございますか? 私は内臓や鳥の皮などが好きになれなくて……」
「ふん……俺は武人だぞ。屈強な身体を作るためにはあらゆる栄養素が不可欠だ。そのようなものあろうはずがない」
「……ぷっ」
それに吹き出したフレデリクにレクシオールの目がギラリと光る。
二人のこういったやりとりがただのじゃれ合いであると、少しずつ理解して来てはいるのだが、それでも少し心臓に悪い。
家格はレクシオールの方が上なのに、どうもフレデリクにうまくあしらわれているような、そんな面白い関係性。
仲の良い二人の会話は続いてゆく。
「なんだ……何か文句でもあるのか?」
「いやいや、だってさ。君……貴族学校でさんざ、僕の皿にモリーユやポルチーニが出るたび移してきたじゃないか。こんな得体のしれんものは人間の食べ物ではない! とか言って」
「……ッあれは! 茸があのような見た目をしているから悪いのだろうが! あの軟弱な食感も好かん!」
「そんなこと言って、本当は小さい頃に山で拾った毒の強いキノコを食べてお腹を壊したからだろ? 後からそれがどんなものか聞いた医者が震えあがって――よくそれだけで済んだもんだって……」
「なぜそれを知っている!?」
「ふん……俺は武人だぞ。屈強な身体を作るためにはあらゆる栄養素が不可欠だ。そのようなものあろうはずがない」
「……ぷっ」
それに吹き出したフレデリクにレクシオールの目がギラリと光る。
二人のこういったやりとりがただのじゃれ合いであると、少しずつ理解して来てはいるのだが、それでも少し心臓に悪い。
家格はレクシオールの方が上なのに、どうもフレデリクにうまくあしらわれているような、そんな面白い関係性。
仲の良い二人の会話は続いてゆく。
「なんだ……何か文句でもあるのか?」
「いやいや、だってさ。君……貴族学校でさんざ、僕の皿にモリーユやポルチーニが出るたび移してきたじゃないか。こんな得体のしれんものは人間の食べ物ではない! とか言って」
「……ッあれは! 茸があのような見た目をしているから悪いのだろうが! あの軟弱な食感も好かん!」
「そんなこと言って、本当は小さい頃に山で拾った毒の強いキノコを食べてお腹を壊したからだろ? 後からそれがどんなものか聞いた医者が震えあがって――よくそれだけで済んだもんだって……」
「なぜそれを知っている!?」