魔王の側近、妖怪と出会う【転生したら、魔王の側近でした×都の剣】

この文の次の行からは字体が変わっており、また別の人が書いたであろう文字が並んでいた。

「ある日、大怪我を負ったモンスターを保護した。モンスターは、異常なスピードで回復をした。それから、モンスターからはこの家に封印されている呪具と同じ気配がする。ある日、私はモンスターの過去を見た。今回保護したモンスターは、元人間。恐らく、この手記に記載されている、モンスターに姿を変えた者だろう」

その次の行から、また字体が変わる。クラルやルーチェにとって見慣れた、クラルの父親の字が並んでいた。

「ある日、闇魔法を得意とする子を保護した。彼は呪い耐性が非常に高く、まだ幼い体で呪具の呪いに耐え、呪具を自分のものにして見せた。将来が楽しみだ。同時に、心配でもある。呪いによってモンスターに姿を変えた者は、呪具を持つ者を恨んでいる可能性があるのだから」

本を読み終わり、ルーチェは本を閉じる。

「……闇魔法を得意とする子って、ルーチェのことじゃない？」

ティムの言葉に、ルーチェは「この字は、クラル様の父親の字だからね。僕のことだろう」と返した。

「……数日前にルーチェが言ってたモンスターは、この手記に記されているモンスターで間違いはないと思う。もし、この手記通りに呪具使いを恨んでいるとしたら？」